【完】天体観測 ~キミと見た星~
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美冬へ
「もう後がない」って医師に言われたから、美冬に手紙を書きます。
美冬に手紙書くのって何年ぶりだろうね。
急な手紙で驚いてるでしょ?
今、美冬がこの手紙を読んでいるって事は、私はもう天国に行ってるのかな~。
私ね、美冬にすごい酷い事したよね。
美冬が、椎名くんに想いをよせてたこと、なんとなくわかってた。
わかってたのに、わかってないフリしてた。
ごめんね。
でも、私は美冬に負けないくらい椎名くんが好き。
だから、椎名くんを渡すつもりは全くないよ。
だけど、だけどね。
私はもう椎名くんの傍にいられないから…。
椎名くんを励ませないし、助けることも出来ない。
一緒に喜ぶことも、一緒にかなしむことさえ出来ないから。
だから、美冬にお願いしようと思って。
椎名くんが喜んでたら、一緒に喜んで、
椎名くんが泣いてたら、励ましてあげてね。
美冬を私は信じてる。
美冬は、本当に優しくて、明るくて。
私の憧れだった。
もう美冬にあえなくなるのは、すごく寂しいし、嫌だ。
だから、時々で良いから、お墓参り来てね。
その時は、いっぱい喋ろう。
美冬と一緒に遊んだ事。
美冬と過ごした人生。
全部、忘れないよ。
美冬、またね。
星夏より
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