【完】天体観測 ~キミと見た星~
―翔太side―…
「緊張するな…」
鈴原から貰った手紙。
その手紙には、こうかかれてあった。
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椎名くんへ
初めての手紙が、こんな形でごめんね。
もう、私も限界みたいだから、椎名くんに手紙をかきました。
椎名くんと出会ったのは夏の病院だったね。
今でも、覚えてるよ。
椎名くんと一緒にアイスを食べた事。
暑い中、喋った事。
初めて一緒に天体観測をした事。
椎名くんにおんぶされた事。
椎名くんを何度も突き放した事。
ごめんね。
私、我儘だから、いっぱい椎名くんを困らせたでしょ?
そんな私をお嫁さんにもらってくれる椎名くんが、たまらなく大好きだった。
だけど、本当にごめんなさい。
私は、その夢さえもいっしょに叶えることができなかった。
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「…っ…」
俺はもうすでに涙を流していた。
なんで…
なんで、「ごめん」ばっかなんだよ。
お前は、謝るような事してないだろ。
あやまんなよ…。
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私には心残りがいっぱいある。
椎名くんと結婚式をあげられなかった事。
椎名くんと病院以外での天体観測を出来なかった事。
そして…
椎名くんに口から
「大好き」
って言えなかったこと。