【完】天体観測 ~キミと見た星~
これは本当に、心残り。
椎名くんと、「好き」って言いあえてないし、キスも出来てない。
だからね。
私が生まれ変わった時、もう一度出会おう。
その時、言うから。
「好き」
って言うから。
そして、天体観測をしよう。
私、椎名くんとした天体観測、すっごい覚えてるんだ。
匂いとか、温度とか、少し緊張して滲んだ汗とか…。
恥ずかしいような、嬉しいような。
そんな天体観測だった。
生まれ変わっても、また同じような天体観測がしたいからね。
忘れないよ。
だから、椎名くんも忘れないでね。
私の事…忘れないでね。
私は、一足先に、木下くんの所に行って椎名くんを見守っています。
椎名くんも、時々、私を…思い出してね。
またね、さようなら。
星夏より
~~~~~~~~~~
「…星夏…っ」
その時、俺は初めて鈴原の事を下の名前で呼んだと思う。
俺も忘れるかよ…。
忘れるわけねぇだろ?
お前と過ごした短くて深いこの半年。
絶対忘れない。
木下のところにいったって、もしかしたら木下が星夏に近づくかもしれない。
そんなことがないように、俺はずっとお前を想いだすから。
だけど…
「星夏ァっ…」
だけど、俺はまだ弱いんだ。
だから、お前がいないこの世は…辛いんだ。
「俺は…どうしたらいい…?」
星夏なら、どう俺に言ってくれる?