【完】天体観測 ~キミと見た星~
なぁ、言ってくれよ。
―カサッ…
「え?」
封筒の中から、もう一枚紙が出てきた。
その紙は、ほとんど文字が滲んでて、読みにくい。
「……なにこれ」
~~~~~~~~~~~
椎名くんは素敵な人だから、もっと素敵な恋愛をこれからするよ。
そして、その度に、私への想いも強さに変わる。
そう、願ってる。
~~~~~~~~~~~
文字が滲んでいるのは、きっと星夏が流した涙だろう。
初めの手紙では、「忘れないで」って言ってたのに。
この手紙には「強さに変わる」って…。
なに書いてんだよ。
涙を流してまで、こんな事書かなく良いのに…。
無理しなくて良いのに…。
だけど、そんなお前が、俺は好きだ。
これから先、
もしも、俺が誰かに恋をしたとしても。
お前を…
星夏を忘れることはない。
星夏と過ごした日々を忘れることはない。
今なら言えるだろう。
この恋を、過去に出来るだろう。
「大好きだっだよ―――――……」
キミを愛していた。