【完】天体観測 ~キミと見た星~
未来
―五年後―
ミーンミンミーンミンミンッ
「…………」
ジリジリと照りつく暑い中。
俺は、やっと星夏の墓参りにやって来れた。
「暑いな…。今日は、俺と星夏が出会った日だよ。覚えてるか?」
俺は、星夏への恋心をまだ少し、抱えている。
だけど、前へ進めてると思う。
あれから、五年の月日が経った。
俺は高校を卒業して、大学に入学して、大学を卒業して…。
そして、今はちゃんと会社に勤めている。
まだまだな大人になったよ、星夏。
「あ、椎名。やっと星夏のお墓、来れたんだ」
「…優木」
後ろを振り返ると、花を持った優木がたっていた。