【完】天体観測 ~キミと見た星~
「そっかそっか~!椎名も成長したね」
「当たり前」
「……よし!!」
優木は手を合わせ終わると、立ち上がる。
「もう行くのか?」
「うん。これからまだ仕事あって忙しいんだ。また後でゆっくり寄るよ」
「そうか」
「じゃね、椎名。また今度飲みに行こう」
「おう。またな」
優木は少ししただけで、急いでその場を去っていった。
「さて、俺も行かなきゃ」
俺も、まだ仕事がある。
「じゃあな、星夏。また来るよ」
それだけ言うと、俺は星夏の御墓の前を去る。
皆、忙しくなったんだな。
弘樹も無事就職して、
姉貴は結婚して赤ちゃんまで出産した。
星夏も向こうで木下と仲良くやってるか?
俺も、前へ進んでるよ。
これから俺は、もう後ろを振り向かない…。
なんて言ってみるけど、
星を見るたびに、お前を思い出してしまうんだ――……