【完】天体観測 ~キミと見た星~
次の日、俺は鈴原にいつも通り話しかけた。
だけど…
鈴原の返事はそっけなかった。
「なぁ、鈴原。お前なんかあったのか?」
聞いてみるけど、鈴原は答えを言わない。
「なんでもないよ」
そう言うだけ…
気になるんだっつーの。
だけど、深く聞けずに一週間が経とうとしていた。
「鈴原ー」
俺は喋りかける。
だけど…鈴原は俺を無視して教室から出て行った。
え?
一瞬頭が真っ白になった。
だって、鈴原が無視だなんて初めてだったから。
あの鈴原が無視?
なんて戸惑ったけど、聞こえてないだけかもってなんとか不安を誤魔化していた。
だけどその不安は的中。
鈴原から喋りかけてくることは一切なくなり、なんだか避けられてる状態だった。
ぶっちゃけ傷ついたけど、俺は平然を装った。
鈴原が居ないだけでこんなにショックを受けてる俺を鈴原自身に見られたくなかったから。
鈴原と喋る事がなくなって、会話を全くしなくなった。
俺は前みたいに、また男友達といるようになった。
鈴原は学校に来てるし、同じクラスだから毎日会う。
だけど、会ってるんだけど、目を合わさない。すれ違ってもなにもナシ。
本当に毎日会ってんのか?なんてバカな疑問をもった。