【完】天体観測 ~キミと見た星~
ある日のことだった。
急に鈴原が学校に来なくなった。
初めは風邪か?なんて軽い心配だったけど、日が過ぎて行くにつれて、俺の心配は大きくなった。
鈴原が休んで一カ月。
夏も終わろうとしてしまってた。
さすがに可笑しいな。
そう思って、いてもたってもいられなくなった。
「なぁ、優木。」
だから俺は、鈴原の幼なじみである、優木美冬(ユウキミフユ)に直接聞こうと決心した。
「なに?」
「…その…、鈴原ずっと休んでるけど…なんで?」
少し緊張した。
「………」
優木は口を開かず黙ってる。
「優木?聞こえてる?」
黙る優木に余計に不安になった。
なんだよ?
聞こえてるんだろ?
なんで、黙るんだよ。
「椎名には言った方が良いよね…」
「は?」
そこで初めて知った。
鈴原の病気を――…