【完】天体観測 ~キミと見た星~
「………」
シーン。
静かな教室に響く。
椎名くんの声が…
「んなわけねぇだろ、俺と鈴原が?ありえねぇって」
「…っ」
わかってた。
だって、本当の事だもん。
なのに…なんで今ちょっと泣きそうなんだろう?
少しそのまま座ってた。
教室はまたにぎやかに戻る。
「………」
だって実際デキてないもん。
だから椎名くんがそういうのは当たり前。
しばらくたってから私は教室に入った。
椎名くんが話しかけてきたけど、私は前みたいに明るく返さない。
また誤解されたら椎名くんだって迷惑だろうし…
第一、そんな仲良いまでの仲じゃなかったんだ。
そう自分に言い聞かせた。
それから、椎名くんとぎこちなくなっちゃって、喋る事はなくなった。
これで良いんだと思う。
どうせ、私は病人。
元気な椎名くんとは釣り合わないだろうしね。
そう思ってるのに…
なんだか胸がチクンと痛む。