【完】天体観測 ~キミと見た星~
「でもさー、お前が鈴原かぁ」
弘樹は小さな机の上にある、ポテトチップスをつまみながらそう言った。
だから…そーいうんじゃないって。
「まぁ、俺はもちろん応援するけどな」
「だーかーらー、違うっつってんだろ?」
「なにが違うんだよ。じゃあ、なんでそんなに毎日毎日、鈴原鈴原、言うんだよ」
「…それは…」
「ほらな?別に認めたって良いじゃねぇかよ」
「………」
俺はそれ以上なにも言い返せなくて、黙った。
弘樹の食べる、ポテトチップスのポリポリと言う音だけが、部屋に響く。
「…帰るわ」
「え?機嫌悪くした?ごめんって」
「いや、違う。…ちゃんと、考えてみる気になった」
「…そうか」
「じゃな」
「おぅ」
そう言って、俺は弘樹ん家を出た。