【完】天体観測 ~キミと見た星~
鈴原とぎくしゃくなった理由は俺には分からない。
分からないけど、ちゃんと前みたいに仲良くしたいんだ。
また、学校で楽しく話したいんだ。
帰る途中、木を見ると、緑色の葉は枯れていきそうだった。
鈴原と仲良くなった夏。
鈴原とぎくしゃくなった夏。
もう季節は夏を終わろうとしていた。
どうする?
俺は…後悔するだろ?
このまま、鈴原とぎくしゃくしたまま、夏を終えるのは嫌だ。
「…ッ」
俺は家へと帰る足の方向を180度変えて、走り出す。
よく考えたらもっと早くに行動出来たはずだ。
俺は鈴原と前みたいに仲よくしたいんだ。
その想いに嘘も偽りもない。
だったら、行けば良いじゃん。
「…ッ…ッ」
苦しくなる喉、痛くなる足。
俺は必死に走った。
ただ、お前に会いたいために。