【完】天体観測 ~キミと見た星~
「おはようございます」
「おはようございます。じゃあ診察始めましょうか」
「はい」
色々と詳しく診察して、後は先生からの体の報告をきくだけ。
「うーん!良い調子ね。」
「本当ですかっ」
「とても良い状態よ。外へ出ても問題ないわね」
その先生の言葉は、私的にかなりご褒美の言葉。
やった!!
「だけど…学校はまだ駄目ね…。いつ転んじゃうか分からないから」
(脊髄小脳変性症は歩行時にふらつき、転倒が多くなる)
「その代り、間接が動かなくなったら駄目だから、少し体を動かす時間を増やしていきます」
「はいっ!」
私は“外へ出れる”その言葉で一日、笑顔で過ごすことが出来た。
「じゃあ失礼しまーす」
「はい、またね」
病室へ戻る途中。
「ねぇ!お母さん!今日さっそく外へ出て良い!?」
「え~?今日?」
「うん!椎名くんと一緒にココの屋上で天体観測したいの!」