【完】天体観測 ~キミと見た星~
「うわ…っ、星がいっぱい…」
「綺麗だよな。」
星を見ただけで、涙が出てきた。
嬉しかったんだ。
「俺さ、星全然わかんねぇから、教えてよ」
椎名くんはゆっくり私を降ろして、持ってきた椅子に座らせてくれた。
「今は秋だよねー。うーんと……あ!」
私は涙を拭いて星を指す。
「あれね、ペガスス座だよ!秋によく見れるんだよね」
「そうなんだ、他には?」
「あとは……あっ!ケフェウス座も出てる!今日はラッキーだね」
「ケフェウス……。難しい名前ばっかだな」
「だよねっ」
「でも鈴原、よくいっぱい知ってるな」
「ずっと本見てたから」
「すげぇな」
「そう?そうでもないよ」
笑顔になれた。
椎名くんはやっぱり椎名くんだった。
椎名くんのおかげだよ。
ありがとう
椎名くん――…