【完】天体観測 ~キミと見た星~


―星夏side―…




《今からそっち行って良い?》



リハビリが終わって病室に帰ってきたら、美冬から、そんなメールが届いていた。
もちろん、私はすぐに返信した。



《いいよ(o>ω<o)》


携帯を閉じると、私はベッドの上に寝転がって、窓の外を眺めた。

空は青かった。

私はまた携帯をとって、メール作成画面を開いた。
真っ白な画面。
そこに私は

《死》

と、文字を打った。

それをジーッとみて考える。
死ぬってなんだろう?
死んだら、私はどうなるんだろう?
どこに行くんだろう?
私の病気は今の医療じゃ、治せない。
だから、死んじゃうんだ。
死にたくなくても…。

私は深い溜め息をついて、《死》と書かれた画面を真っ白に戻した。

こんなに簡単に、私の死も消えちゃえば良いのに。


実際、まだ足は動くし手だってなんとか動く。
実感がまだ迫ってこないんだ。

だから、余計不安で怖い。
死にたくないのにな。
こんなに死にたくないと願っても、誰にもどうする事も出来ない。

これが私の運命――…



< 64 / 191 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop