【完】天体観測 ~キミと見た星~


ボーッと空を眺めてたら

―コンコン―…

「星夏~」

美冬がやってきた。
久しぶりの美冬に嬉しくなった。

「美冬っ」

「なにしてたの~?」

「んー…空をボーッってみてた」

「なにそれ」

美冬は小さく笑うと、私のベッドの上に座った。

「星夏、病気の事、詳しく椎名に教えたの?」

美冬は少し真剣な顔になって、私にそう聞いた。
あぁ、そのことか…。

「うん。」

「…どうして?」

「…椎名くんにはちゃんと知っておいてほしかったから」

「そっか…」

美冬は少し寂しげな顔をすると、ベッドに顔を勢いよく沈めた。

「あ゛~~!!」

なぜか、ベッドに顔を沈めたまま叫ぶ美冬。

「どうしたのっ」

私は驚く事しか出来ない。

「うーん…。星夏は色々考えてるんだなぁって…」

「えぇ?どういう意味~?」

美冬が言っている事がいまいちわからなくて、私は首を傾げた。
だけど、美冬は顔を勢いよくあげて、

「なんでもないっ!」

と、元気な笑顔を見せた。
それにつられて私も笑う。

「ねぇ、星夏。一日外泊出来ないのかな?」

「え…」

あまりに突然だったから、私はわからない、と答えた。

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