【完】天体観測 ~キミと見た星~


「ママが迎えに来てくれてるの」

美冬のお母さんが迎えに来てくれてるらしく、病院の前には大きな車が止まっていた。
さすが、お金持ち…。

車に近づくと、窓がスーッと開いて、久しぶりに見るおばさんの顔が出てきた。

「星夏ちゃん、久しぶり~」

美冬のお母さんは本当に優しくて、いつもニコニコしてくれてる。

「おばさん、こんにちはっ。今日はお世話になります」

ペコッと頭をさげる私に、おばさんは他人行儀しなくて良いの!と言ってくれた。
その言葉に嬉しくなった。

そして、荷物を後ろに乗せて、車に乗った。

しばらく車を走らせてると、美冬の家に着いた。
やっぱり、何度見ても結構大きい。

「さぁ、あがって」

「お邪魔しまーす」

家に入ると、すぐにそのまま荷物を持って、美冬の部屋にあがった。

美冬の部屋は、家具が少なく、女の子にしては、さっぱりしてる。
ピンク系の部屋とはほど遠い、大人系の部屋。

「相変わらず部屋綺麗にしてるね」

「そう?」

美冬はジュースを持ってくると言って、一階のリビングへと下りた。
美冬の部屋で一人になった私は美冬の部屋を見渡す。
すると、昔、美冬と二人で撮った写真が、飾られていた。
それを見て、「懐かしいなぁー」と思い出に浸ってた。
昔を思い出して、一人笑ってると、美冬が戻って来た。

「何~?一人で笑って~」

「いや、この写真見て昔を思い出したんだ」

「あ~っ」

美冬はガラスの机にジュースを置くと、この写真について語りだした。


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