【完】天体観測 ~キミと見た星~
――――――……
「ん~…今日は少ないね」
「そうだな」
屋上に来て、見上げた夜空に、星の数は少なかった。
「まぁ、今度いっぱい見ればいいじゃん」
今度。
それはあの日、椎名くんと約束した事だ。
「…うん、そうだね」
私は思い出して、頬を赤らめ頷いた。
「ねぇ、椎名くん」
「ん?」
「…どうして、毎日のように病院来てくれるの?」
少し期待して聞いてみた。
もしかしたら……なんて。
「んー…、暇だから」
だけど、椎名くんはそう答えた。
そりゃそうだよね。
「そっか、ありがとう」
哀しいけど、贅沢なんてしてられない。
来てくれるだけでも…嬉しいと思わなきゃね――…