【完】天体観測 ~キミと見た星~
新しい出会いと嫉妬
ある日の朝、病室は騒がしかった。
もともと、私は個室では無くて、誰となるかわからない同室だった。
今までは、私一人で、個室みたいなものだったんだけど…
「あの~、誰か新しく入院するんですか?」
何も敷かれてなかったベッドが、綺麗に“ベッド”になっていた。
「えぇ、そうよ。」
その言葉を聞いた時、嬉しくなった。
仲良くなれたら良いなっ!
「どんな子っ!?」
「ん~、私もよく知らないけど…たしか男の子…だったわね」
「ふーん…」
私は看護師さんから窓に視線を移す。
男の子か…
仲良くなれるかな…。
今日は天気が晴れてて良い気持ち。
木を見ると、もう葉が落ちていた。
それが秋だと実感させる。
「――――……」
そして、そのまま目を瞑ると、私は夢の中へと堕ちて行った。