【完】天体観測 ~キミと見た星~


私はまだ十代。
なのに…それなのに、もう死ぬ準備をしなくてはならない。
いつ息を引き取るかわからないから。
明日かもしれないし、一年後かもしれない。
それは、急にくるもの。
だから、もう準備をしなくては…いけない。

医師は残念そうな顔を残して、病室を去った。
お母さんも「ごめん、ちょっと外出てくるね」それだけ言うと病室を後にした。

私にはきっと罰が当たると思う。
それは、死んでからじゃないとわからないけど…。

だって、こんなにも大切な人を悲しませているんだもん。

大切な人―――…

椎名くんと、美冬だって、悲しませちゃう。

お父さんだって、おじいちゃんだって、おばあちゃんだって…皆。


私は覚悟した。
死ぬ覚悟。
嫌われる…覚悟。

せめて、椎名くんと美冬には迷惑かけたくない。
私を嫌いになって、それで私が死んじゃっても「あー死んだんだ」それくらいに思ってくれれば良い。

馬鹿な私は、本当に馬鹿な私は…
よく考えると、馬鹿な覚悟をした―――…



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