切ない純愛崩れ
恋をしてからの小崎里緒菜が過ごす世界は何も変わらない。
大好きな大塚、恋心を操る大塚、愛しい大塚――――このようなアタシ語りは女子高生の定番なので、
痛い自己顕示欲なんかじゃない、正統派な純愛のテイで私の切ない恋愛事情をベタに暴露しよう。
デジャヴュ? それは気のせい。
美しいくらい何も変わらない。
相変わらず大塚は切なそうな瞳をし、恋人と反対校舎で踊るあの子を見つめている。
「ほんっと仲良しだよね? あれこそ永遠の愛じゃん、あはは。羨ましー」
だから、私も変われない。