届かない、先生《短編》
第3章:冬休み
時が過ぎるのは早く、もう12月。

散々応援されたにも関わらず、私は体育祭で秀くんには告白できなかった。

したくなかったのかもしれない。
秀くんに告白してしまったら、森山先生が離れてってしまいそうで‥。

そして12月。
私と森山先生の距離は縮まることがなく、必要最低限のこと以外は話さなくなった。

しかし私は、小さなことだけで日々幸せを感じていた。
私が森山先生と喋った後には必ず、亜希が笑いかけてピースしてくれた。

そんな風な関係になってしまっても、毎日の掃除では黒板を消してくれていた。

私と喋らなくなっても森山先生は、他の生徒と仲良くすることはなかった。

私だけは、森山先生の特別だと思えていた。
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