届かない、先生《短編》

あみだくじ

5月、私達1年生はオリエンテーションに野外活動に行くことになった。

その時にカレーを作るグループを決める。
私は素直に秀くんとがよかった。

だけど女の子は難しいんだ。
みんなあの人となりたい!って小さな譲れない願望があって、なかなか決まらない。

亜希が小さな声で私に言った。
「絶対同じになれるよ」って。

少しのメールでしか繋がりのない私達。
私はどうにかして仲良くなりたかった。

「誰のとこのグループとなりたい?」
副室長さんが私達に聞きにきた。

「んー‥中村くん!」
秀くんと同じグループの違う人の名前を出す。

中村くんは私と同じ部活だから仲良しだから‥ってみんな思うよね。
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