届かない、先生《短編》
そして、結局次の日にあみだくじでグループは決まり、私は秀くんと違うグループだったのだ。

この日も、掃除の時に森山先生は私のところへ来て、高いところの黒板を消して、私と喋って帰って行った。

「お望みの人となれたか?」
森山先生は、恋愛の話をするときが1番楽しそうだ。

「なれんかったあ」
そう言った私の肩を2回ぽんぽんと叩いて
「頑張れよ」
と言ってその日は帰って言った。

「最近森山と仲良いよね」
友達にそう言われた。
「そうかなあ?」
別に仲良いことを隠すつもりはなかったけど、私だけが知ってる森山先生でいてほしかった。

「森山、喋ってるときすごい楽しそうだよ」
友達に言われた。

私はなんだかとっても嬉しかった。
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