四文字チョコレート
「俺、なつの何もわかってなくて……ごめん」
「違う。ごめんは、あたしのほう。ごめん」
サヨナラなんてたった四文字で、想いを込めたなんて笑えもしない。
あたしはただ、自分勝手で。
彼の気持ちを考えようとしてなかった。
バカだよね、やっぱり。
「……あのさ、俺も変なこと言っていい?」
「え?」
思わず振り返ると、彼がピンク色の紙袋を差し出した。
あたしが渡したチョコレートとは、違う物。
「これ。今、中見てみて」
突然のことに、驚きと戸惑いで状況を理解できていないあたし。
いったい、何だというのだろう。