四文字チョコレート




紙袋を持った手をさりげなく背中の後ろに隠して、どうしようか考えた。


このまま渡したら、確実に教室で気まずいだろう。


かといって、紙袋を持ったまま一緒に学校へ行くのも微妙だ。



だったら──



「あ、あのさ。変なこと言うけど……」


「うん? 何?」


「これ、作ったんだけど」



そろそろと紙袋を前に持ってきて、彼に差し出す。


計画とち狂ったけど仕方がない。


この際勢いで終わらせてしまおう。



「ありがとう」



受け取ってくれた彼はやっぱり笑顔。


あたしは素早く言葉を並べた。



「だけ、どっ! 今開けて。あ、でもあたしが行ってから! ……じゃあ、学校で!」



深呼吸してから走り出そうと思ったけど、そんな暇もなく走り出しす。



「え? ちょっ、なつ!」



もう、後には引けない。




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