ハッピーエンド
#01 エンナシ
「いってきまーす」
いつものように玄関に立って、リビングの方に向かってそう言う。
小さい頃からの、習慣。
そう言ってから、ガチャッと音を立ててドアノブをひねり、家の外に一歩踏み出した。
「奈都(ナツ)は朝から元気すぎ。声が外までもれてましたけど。」
「っ! け、い……ちょっ、びっくりするからドアの真横に立つのやめてくれない?!」
「いーじゃん?俺がどこで待ってようと。 いい加減慣れろよ」
「無理言わないでよ!」