心友。~友達の彼氏をスキになった。~
あんな目の色をした藍は初めてだった。
光のない真っ暗な瞳…
息も出来ないのに彼女ははっきりと悟を拒絶した。
気を失っても尚彼女の息は荒く、その体を圧迫しないようにそっと支えながら、悟は…以前保健室で藍がレイコさんに話した言葉を、今はっきりと思い出していた。
『男の子怖い』と藍は小さな声で言ったのだ。
『また息が苦しくなるんちゃうかと思ったらドキドキしてきて…』
藍の過去に何があったのかは知らないが、彼女が男性に対して恐怖心を抱いていたことを、悟は知っていたはずだった。
(何してんねん…俺)