心友。~友達の彼氏をスキになった。~
それほど長い時間ではなかったと思う。
しばらくすると藍の長い睫毛が震え、瞼が開いた。
「藍?」
まだ息が乱れている。
「ゴメン、俺…」
そんな一言で簡単に謝れるようなことではないとは思ったが、悟には他に言葉がなかった。
藍は現状が把握出来ないのか、ぼんやりとしたまま何も喋らない。
それでも自力で座れるようなので悟はそっと体を離し、二人はそのまま長い時間沈黙していた。