心友。~友達の彼氏をスキになった。~
「悟は悲しかったんやもんな…。
マリアが他の人とキスしてるとこ見てしまって
悲しくて悔しくて
今日はもう…どうしようもなかったんやもんな」
フッと優しく藍が笑った。
やっと顔を上げた悟が、その笑顔を見詰める。
「もう気にせんでええから」
そう言うと藍は振り返り歩き出した。
「い、家まで送る」
「めっちゃ近いから大丈夫。もうついて来んといて」
藍は歩を緩めずにそう言った。
また発作を起こして、悟にこれ以上の失態を晒すのだけは避けたかった。
(通りすがりの知らんオッサンに助けられた方が、まだマシ)
…悟はもう追っては来なかった。