心友。~友達の彼氏をスキになった。~
橋の上で
それからひと月近くが過ぎた頃、マリアがユキに言った。
「最近な…悟の様子がおかしいねん」
「おかしいって?」
「何かな、ボサッとしてる」
「あは、何それ?」
マリアと悟は、あのキスの一件以降も別れずに続いていた。
毎週水曜は一緒に下校していたし、日曜にはデートを重ねている。
ただ藍とユキと3人でいるとき、悟の話が出ることはもうなくなっていた。
せっかくの藍の笑顔が曇るような気がして
楡崎の名前を出さないのと同様に、暗黙のうちに悟の話題は避けられるようになった。