電話が鳴った。
「何年じゃすまないかもしれないぜ?
それにお前とは違う場所に行くのかもしれない」
そもそも俺は、奴が何処に居るのかを知らない。
ただただ、遠い場所だという事で、
漠然とした天国のイメージがあるだけだ。
『それでも待ってるよ。
君と逢える日を』
「それじゃ、もう切るからな」
『うん。バイバイ。
こっちに来る時は苦しまずにね』
「できればそうだといいな。
とにかく当分は御免だけど」
『じゃあね、また掛けるよ』
「もう2度と掛けてこなくていいからな」
そう言って電話を切った。