もっと甘く・・・・
先輩がジーっとあたしの顔を何も言わずに見てくるから


恥ずかしくなってあたしは後ろを向いた。


そこには、


いかにも”あなたを睨んでます”って感じの人の顔が


あたしの目に映った。


こっわ・・・・と思って目線をはずし、あたりを見回すと


何十人もの女の子、中にはクラスの子まで


あたしの方をみて睨んでいた。



「川中さんどうしたの・・・?」



木梨先輩が不思議そうに聞いた。



「先輩、あの・・・沢山の人があたしに向かって睨んでる気がするんですけど・・・」


「え?・・・・」


「あ、やっぱなんでもないですっ。」


「ん?あ、いいの・・・?」


「はい。」



先輩には必死の笑顔を送ってることがわかった。


先輩があたり見回してる時はみんな最高の笑顔。


あぁ、木梨先輩ってモテるんだー・・・・



「川中さん・・・」



今度は、明るそうな声で先輩があたしに話しかけた。



「なんですか?」


「あのさ・・・・・えと、あの・・・・メール・・・アドレス・・・・」



顔を伏せて先輩は黙ってしまった。



「へ?メールアドレスですか?」
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