籠のなかの花嫁
キョロキョロと辺りを見渡していると



「あっ」



美羽の後ろ姿を発見。



美羽は、あの『MICHELE』のコーナーにいた。




晴太は急いで、美羽の傍に駆け寄った。




「美羽・・・あの・・・・」



冗談ではあったが、無視されるのは辛いので謝ろうとすると



「はい、何ですか?」


「へ?」



怒っていた美羽はどこへやら。既にけろっとした表情で服を手にとって唸っていた。



「お前、怒ってたんじゃないのか?」


「あんなことでいつまでも怒りませんよ」



あ、そう。



拍子抜けとはこのことだなと染々思った晴太だった。




そして美羽はというと、さっきから2着の服を見比べては首を傾げるばかり。




どっちがいいんだろ。


見た目的には、こっちの方が合いそう。


でも、性格的にはこっちの方が好きそう。




中々決まらない美羽に、晴太は



「2着とも買えばいいだろう?」


「2着はキツいんです」


「だから、俺が買ってやるって言っただろ?」



もともとはこれが狙いだったのだから、美羽も甘えればいいのだが




「友達にプレゼントする物くらい自分で買いたいんです」




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