籠のなかの花嫁
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あの後すぐに家に帰ってきた二人。



美羽は今、台所で一人昼御飯の支度をしている。




晴太は帰ってきてから出かけると言ってそのまま。



かれこれ1時間ほどたつ。




昼御飯の支度をしながら、美羽はずっと考えていた。



どうしてあんなことを言われたのか、と。




アイスを買うまではいつもと変わらなかったのに、どうして・・・?


あたしが怒っていると思ったのに怒っていなかったから?


でもそれだっておかしい。


怒っていない方が彼にとっても面倒じゃないはず・・・。


じゃぁ、どうして?




考えても考えても、答えは分からない。




最近は、雰囲気が柔らかくなってきてたと思ってた。


でも、あたしの勘違いだったのかも。




テーブルにご飯を並べながら、ため息を吐いた。




すると玄関の方から音がした。





ガチャ────────







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