籠のなかの花嫁

｢晴太さんだって、大切な誰かからプレゼントをもらう時に、その人が選んだものじゃなかったら、嬉しくないでしょ？｣



美羽の言葉に晴太は“あぁ”と短く答え、苦笑いした。



｢俺はバカだな。お前との関係を思うあまり、その友達とお前のことを考えてなかった｣



笑ってはいるが、美羽はその笑顔が悲しくも見えた。



｢もういいんです。あたしももう怒ってません。この話は終わりにしましょう、晴太さん｣


｢あぁ。ありがとう｣



小さなケンカから大きくなっちゃったけど、もとに戻って良かった。



安心したように美羽は微笑んだ。




だが、その瞬間、目の前の晴太は再び顔を赤くした。



｢･･･何ですか？｣


｢別に、何でもねぇよ｣


｢そうですか･･･｣


｢････････････｣


｢･････････あの｣


｢何だよ｣


｢今考えたら、この中から選べって無理ありますよね。包装されてるんですから、服見れませんもん｣


｢！！？｣




美羽に関しては余裕がなく、失態ばかり曝してしまう晴太だった。



だが、結局は笑って終わる。



そうやって二人の距離は段々近づいていった。