籠のなかの花嫁
すると彼女が一言。




「中宮美羽さんですね?」


「そうだけど?」



眉をひそめながらそう答えた瞬間




パシッ────────




・・・・・・・え?




「ちょっと、何してんの?!」



気が付いたら、美羽は彼女に頬を叩かれていた。



「美羽、大丈夫?」


「・・・大丈夫」



自分で何が起きたのか分からず固まってしまったが、梨奈の声で我に返った。



「年上を殴るなんてあり得ない。非常識よ」


「そうよ。理由が何であっても、殴るなんて・・・」



友人達も続き、クラス内の他の友人達も美羽のもとに集まってきた。



だが、目の前の彼女達は態度を改めようとはしなかった。



その上、とんでもないことを言い出した。




「あなたが悪いのよ!あたしの彼氏を取るから!」


「か、彼氏?」



美羽が問い掛ける。



「そうよ。日向由良、あたしの彼氏よ」




日向、由良・・・・・・



の彼女?



あたしが、取った?



「あなたバカじゃないの?美羽が日向に構うわけないじゃん」


「そうそう。迷惑してるのは美羽の方だしね」




呆然とする美羽の代わりに友人達がフォローしてくれた。




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