籠のなかの花嫁
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そして問題の放課後。



美羽と梨奈は由良を引き連れ、学校近くのカフェに行った。




「いやぁ、嬉しいなぁ。中宮から俺を誘ってくれるなんて」



呼ばれた理由を知らない由良はニコニコ上機嫌。



だが、美羽は席に付くなり、すぐに口を開いた。




「今日、日向君の彼女だっていう1年生の穂積さんがあたしのところに来た」


「え、弥生が?」


「そうよ。美羽の頬っぺ引っ張たいてった」


「あ、だからか」



“だからか”とはきっと、美羽の頬が少し赤いからだろう。



あの後、氷で冷やしたが赤みは少し残ってしまった。




「日向君のおかげで、とんだ騒ぎになったよ」


「それは、ごめん。でも違うんだ。弥生は俺の彼女じゃない」


「彼女じゃない?」


「あぁ。前に言ったろ?ちょっと優しくしたら相手が勝手に盛り上がっただけだって」



あー・・・そんな話をした気がする。



久々に美羽と梨奈に声をかけてきた時の会話を思い出した。




「どうせ彼女が勘違いするような態度とか話をしたんでしょ?」


「だけどアイツだって男好きだぞ!俺ばっかり悪者かよ」


「何よその態度・・・アンタの軽はずみな言動で、美羽は」


「もういいよ、梨奈。今日のことはもういい」



熱くなった梨奈を制し、美羽は話を変えようと思った。




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