籠のなかの花嫁
「じゃぁ、その男連れてきて」


「はぁ?!」



え・・・・・・・



起きてほしくないと思った事態になり、美羽と梨奈は呆気に取られてしまった。



「今すぐそいつ連れてこいよ。で、俺がそいつを中宮に相応しいか見定める」


「無理だよ。その人、今仕事中だし」


「っていうかその前に、何でアンタが美羽の相手を見定めるのさ」



だが梨奈の言葉は、最早由良の耳には聞こえていないらしい。



「仕事中って、そいつ社会人かよ!」


「うん。だから、無理だよ」



このままいけば、諦めてくれるかも。


っていうか、諦めて。




しかし美羽の願いは天には届かず・・・




「じゃぁ認めない。お前が呼んでんのに来ない奴なんか俺は認めない」




あーもー、勝手すぎる。




美羽は頭を抱えた。



晴太に迷惑はかけられない。だが、このままでは自分の身が危ない気がする訳で・・・。



そして結果。




「せめて、明日にして。突然呼んでも来れないし、彼に迷惑はかけたくない。だから明日」



今日帰ってからお願いするしかない。

すんなり頷いてくれるか分からないけど・・・。




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