籠のなかの花嫁
「ここに座って」



ポンポンとソファーの隣を叩く晴太。



美羽はオドオドしながらもそこに座った。



「全部話すまで、ここから動かないこと。いいな?」


「・・・はい」


「で、今日何があったんだ?」


「あの、今日学校で────・・・」




不安な表情で、ポツリポツリと話す美羽に、晴太は静かに聞いていた。






「・・・──だから、あたしの好きな人として、明日一緒についてきてほしいんです」




全て話し終え、一つ大きく息を吐いた。



恥ずかしい上に情けない、そして自分勝手なこの状態に美羽は顔をあげられない。



晴太が今どんな表情なのか、気になるが見ることが出来ない。



そんな美羽に、晴太は一言。




「どうして俺なの?」


「え?」


「好きな人って言われて、適当に同級生引っ張ってくことも出来たはずだ」


「それは・・・」


「その理由次第で俺は決める」



え、理由次第って・・・



美羽はどう答えようか、迷った。



ついてきてほしいがために、綺麗事を並べるか、素直に言うべきか。




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