籠のなかの花嫁
翌日は、案の定大騒ぎになった二人だったが・・・いや、美羽だけだが


何とか、梨奈にも悟られずに、放課後までを過ごした。




そして約束の時間────



近くの公園に3人で来てから、美羽は晴太に連絡をした。


すると15分ほどして晴太が現れた。



「悪い、待たせたな」


「いいえ、すいませんお仕事中に」



晴太が視線を由良に移した。



由良は信じられないとでも言いたげな表情をしていた。



「中宮の好きな男って、オッサンかよ」


「あぁ、もう30になる」



挑発してくる由良をサラッとかわし、冷静に答える晴太。



対する由良は、鼻を鳴らし面白くないと言うような顔だ。




「しかも、美羽だけじゃなく、俺も美羽を想ってる。事情があって恋人にはまだなれていないが、いずれはそういう関係になりたいと思ってるし、彼女にもそう言ってある。だから、美羽は諦めてくれ」




晴太さん・・・


美羽は目の前の晴太の背中をジッと見つめた。そして




「・・・・あたしも、いつかはそうなれたらいいなって思ってるの、だから日向くんを見ることは出来ない」


「美羽・・・」



晴太への気持ちをはっきり自覚したわけではないが、このまま一緒にいたいと思う気持ちが強まるのを感じた。




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