籠のなかの花嫁
「あ、そうだ。すっかり忘れるとこだった」



突然空から顔を戻すと、おもむろに制服のポケットから何かを取り出した美羽。


「なに?」


「・・・渡すの遅くなってごめんね。はい、梨奈。お誕生日おめでとう」


「えっ!?」




梨奈が受け取ったのは、可愛らしい包装のされた小さな箱だった。




「毎年のことなんだから、そんなに驚かないでよ」


「だって、何か最近色々あったし美羽、忙しそうだし・・・」


「確かに忙しかったけど、それとコレは話が別。ほら、早く開けてみてよ」


「うん!・・・・・・・・・・・・・コレッ?!」



開いた箱の中には、梨奈の大好きな『MICHELE』の新作のネックレスが。



「超ほしかったんだよ〜〜!!ありがとう美羽!!」



そう言って抱きついてきた梨奈を苦笑しながら受けとめる美羽。



「喜んでくれて良かった」


「喜ぶに決まってんじゃん!美羽が選んでくれたんでしょ?流石、あたしの好きな物をよくわかってる♪」



やっぱり自分で選んで良かった。



美羽はあの時のことを思い出し、笑ってしまった。





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