籠のなかの花嫁
言いたい放題の同僚に晴太は地を這うような声で言った。
「てめぇら黙らねぇとその減らず口きけねぇようにしてやるぞ」
実は晴太は、空手の黒帯5段の有段者という一面も持っているのだ。
いよいよ本気で怒りだしそうな晴太に、同僚2人も冷や汗を流した。
だがそんな晴太に物怖じせず話す若林。
「何でそんなに機嫌悪いんだよ」
「あ?てめぇらのせいだろ」
「お前がこの程度で怒るか?いつもなら、無視して呆れてるだけだろ」
さすが付き合いが長いだけに、晴太の変化にはよく気が付くらしい。
「別に・・・いつもと変わんねぇよ」
だが、素直に頷けない晴太。
ならばと思い、若林は
「今日は飲みに行こうぜ」
「は?」
「俺も色々たまってんだよ。憂さ晴らしにさ!それとも今日も約束か?」
「してねぇよ・・・・・あぁ、分かったよ」
若林の気遣いにはすぐに気付いたが、今日は頼ることに決めた晴太。
今夜は家に帰るのも、気が引けるしな。
そう思いながら、晴太は胸ポケットから携帯を取出し、美羽宛のメールを作成しだした。
───────────
to│美羽
───────────
悪い。今日は飲みに
誘われたから、同僚と
行ってくる。
少し遅くなるかも
しれない。
----END----
「てめぇら黙らねぇとその減らず口きけねぇようにしてやるぞ」
実は晴太は、空手の黒帯5段の有段者という一面も持っているのだ。
いよいよ本気で怒りだしそうな晴太に、同僚2人も冷や汗を流した。
だがそんな晴太に物怖じせず話す若林。
「何でそんなに機嫌悪いんだよ」
「あ?てめぇらのせいだろ」
「お前がこの程度で怒るか?いつもなら、無視して呆れてるだけだろ」
さすが付き合いが長いだけに、晴太の変化にはよく気が付くらしい。
「別に・・・いつもと変わんねぇよ」
だが、素直に頷けない晴太。
ならばと思い、若林は
「今日は飲みに行こうぜ」
「は?」
「俺も色々たまってんだよ。憂さ晴らしにさ!それとも今日も約束か?」
「してねぇよ・・・・・あぁ、分かったよ」
若林の気遣いにはすぐに気付いたが、今日は頼ることに決めた晴太。
今夜は家に帰るのも、気が引けるしな。
そう思いながら、晴太は胸ポケットから携帯を取出し、美羽宛のメールを作成しだした。
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to│美羽
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悪い。今日は飲みに
誘われたから、同僚と
行ってくる。
少し遅くなるかも
しれない。
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