籠のなかの花嫁
若林は知らないが、実は柊自身にも、13歳離れた妻がいる。
出会った時は、妻も成人したばかりの頃。
大人同士とは言え、柊も晴太同様に苦しんだ時期もあったという。
「好かれているかどうか不安に思うのは、どこのカップルも同じことです。それに、お話を聞いている限りでは美羽様には、少々過度な愛情表現をされた方が、丁度良いのかもしれませんよ」
「過度な・・・?でも、美羽は」
日頃の美羽を見る限り、人との接触をあまり好まないように感じるのだ。
だが、柊はこう言う。
「美羽様は好まないのではなく、酷く恐がっているだけだと思いますよ?」
「恐がる?」
「これは妻の見解ですが───・・・」
柊の話を聞くと、先に若林が口を開けた。
「どうやら、お前とその美羽ちゃんの間には障害が多いようだが・・・そんな器用な距離の取り方、不器用なお前が出来るのか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「愛する女性のためには、苦労することも大切なのですよ。・・・彼女の笑顔さえあれば、私は幸せだと感じます」
こんな風に思われる奥さんは一体どんな方なのかと興味を持つ若林と、柊の言葉を頭の中で繰り返す晴太だった。
出会った時は、妻も成人したばかりの頃。
大人同士とは言え、柊も晴太同様に苦しんだ時期もあったという。
「好かれているかどうか不安に思うのは、どこのカップルも同じことです。それに、お話を聞いている限りでは美羽様には、少々過度な愛情表現をされた方が、丁度良いのかもしれませんよ」
「過度な・・・?でも、美羽は」
日頃の美羽を見る限り、人との接触をあまり好まないように感じるのだ。
だが、柊はこう言う。
「美羽様は好まないのではなく、酷く恐がっているだけだと思いますよ?」
「恐がる?」
「これは妻の見解ですが───・・・」
柊の話を聞くと、先に若林が口を開けた。
「どうやら、お前とその美羽ちゃんの間には障害が多いようだが・・・そんな器用な距離の取り方、不器用なお前が出来るのか?」
「・・・・・・・・・・・・」
「愛する女性のためには、苦労することも大切なのですよ。・・・彼女の笑顔さえあれば、私は幸せだと感じます」
こんな風に思われる奥さんは一体どんな方なのかと興味を持つ若林と、柊の言葉を頭の中で繰り返す晴太だった。