籠のなかの花嫁
「あたしが見た限りでは、晴太さん、美羽のことすごく大事にしてくれてると思うけどなぁ」



うん。分かってる。


分かってるからこそ、理解出来ないのだ。


大事にされていると、愛されてると思った。


なのに突然あの態度だ。



「しょせん、彼も一時の想いだったのかな・・・」



美羽が小さく呟く。



バンッ



テーブルを叩く音に肩をビクッとさせ、前を向くと、怒った表情の梨奈がいた。



「そんな言い方したら、晴太さんに失礼だよ!!」


「梨奈・・・」



梨奈がこんなに声を張り上げて怒ったのを見たのは初めてだった。




「今までの二人を全部見てたわけじゃないけど、きっと晴太さんはそんないい加減な気持ちで美羽のこと見てない!」


「何でそんなこと分かんの?」


「分かるよ!」


「分かるわけないじゃない!!」


「っ・・・・・」



梨奈も、今までに見たことがない美羽の態度に圧されてしまった。




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