籠のなかの花嫁
「俺は、お前を愛してる。今まで何度も言ってきたな?」


「はい・・・・・・」






・・・・・・・・・・・。





「で?」


「あ〜〜〜〜〜・・・・・」




いくら待っても話さない晴太に美羽は疑問符しか浮かばない。



そんな美羽に、晴太は頭を抱えて大きくため息を吐く。




「お前は男心が分からないのか!?」


「分かりませんよ!あたしは女です」


「知ってる!それでも少しは分かるだろ」


「知りませんよ。知る必要がありませんもん」



何であたしはこんなこと言ってるのよ・・・



主旨からズレた会話に今度は美羽がため息を吐いた。




「話すことはそれだけですか?あたしは部屋に戻りますよ?」



本当のことを話さない往生際の悪い男を一人残し、部屋を出ようとした瞬間





「男は、愛してる女といると、一緒にいるだけじゃ足りなくなるんだよ!!」





ドアの取っ手にかかる美羽の手が止まった。




そのままゆっくり振り替えると




真っ赤な、それでいて怒ったような虚勢を張った晴太がソファーから立ち上がっていた。





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