籠のなかの花嫁
【最終章】─籠からの脱出
{婚約指輪と迷い}
・─晴太Side─・
どうしたらいいんだ。
「・・・・・おい・・・・・」
婚約披露パーティーが3日後に迫ってる。
「・・・晴太?」
言おう言おうと思って結局ここまできちまった。
前回の形だけの見合いの時だってあんなに嫌がったんだ。
きっと今回も嫌がるに──
「あ、美羽ちゃん」
「あ!?」
「嘘だ」
隣でニヤリと笑う若林を晴太はギロッと睨んだ。
「いくら呼んでも聞かねぇからだろう。今は勤務中。頭の中を美羽ちゃんから仕事に切り替えろ」
「お前に言われなくてもわかってんだよ」という言葉はかろうじて飲み込んだ。
確かに、美羽のことを考えてたのは間違いじゃないからな。
「今度は何悩んでんだよ」
「お前今仕事中だって言ったばっかりだろ」
「仕事より友情だろう。悩んでるんだったら相談を聞くのが、俺の役目だ」
もっともな言い分に聞こえるが、お前は美羽と俺のことを聞いてからかいたいだけだろう。
どうしたらいいんだ。
「・・・・・おい・・・・・」
婚約披露パーティーが3日後に迫ってる。
「・・・晴太?」
言おう言おうと思って結局ここまできちまった。
前回の形だけの見合いの時だってあんなに嫌がったんだ。
きっと今回も嫌がるに──
「あ、美羽ちゃん」
「あ!?」
「嘘だ」
隣でニヤリと笑う若林を晴太はギロッと睨んだ。
「いくら呼んでも聞かねぇからだろう。今は勤務中。頭の中を美羽ちゃんから仕事に切り替えろ」
「お前に言われなくてもわかってんだよ」という言葉はかろうじて飲み込んだ。
確かに、美羽のことを考えてたのは間違いじゃないからな。
「今度は何悩んでんだよ」
「お前今仕事中だって言ったばっかりだろ」
「仕事より友情だろう。悩んでるんだったら相談を聞くのが、俺の役目だ」
もっともな言い分に聞こえるが、お前は美羽と俺のことを聞いてからかいたいだけだろう。