籠のなかの花嫁
そんな俺の気持ちに気付くはずもなく、若林は話を進めていく。
「あれから最近は上手くいってたんだろう?」
「あぁ、いってたさ」
あの時、キスを両親に邪魔された日。
つまり、ようやく俺たちが両想いになった日から今日まで、本当に俺は幸せだった。
─────────────
──────────
『ただいま、美羽』
『ぉ、おかえりなさい、晴太さん』
ぎこちなくも、目を見て小さく笑いながら“おかえりなさい”と言ってくれるようになった。
以前のような冷たさがなくなったんだ。
『授業で分からないとこがあるなら教えてやるぞ』
『じゃぁ・・・ここを』
そう言って、いそいそと教科書を持って隣に座って、俺の話を聞く。
『あぁ、そっか。分かりました。ありがとうございました』
問題が解けると、嬉しそうに笑ってお礼を言うんだ。
その顔に俺は今だになれず、動揺してしまう。
両想いになったとは言え、なかなかすぐに恋人らしくなるわけもなく、まだまだ距離はある。
でも、美羽が俺に笑いかける笑顔が増えたり、一緒に過ごす時間が増えたり、確実に良い方向に向かっている。
「あれから最近は上手くいってたんだろう?」
「あぁ、いってたさ」
あの時、キスを両親に邪魔された日。
つまり、ようやく俺たちが両想いになった日から今日まで、本当に俺は幸せだった。
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『ただいま、美羽』
『ぉ、おかえりなさい、晴太さん』
ぎこちなくも、目を見て小さく笑いながら“おかえりなさい”と言ってくれるようになった。
以前のような冷たさがなくなったんだ。
『授業で分からないとこがあるなら教えてやるぞ』
『じゃぁ・・・ここを』
そう言って、いそいそと教科書を持って隣に座って、俺の話を聞く。
『あぁ、そっか。分かりました。ありがとうございました』
問題が解けると、嬉しそうに笑ってお礼を言うんだ。
その顔に俺は今だになれず、動揺してしまう。
両想いになったとは言え、なかなかすぐに恋人らしくなるわけもなく、まだまだ距離はある。
でも、美羽が俺に笑いかける笑顔が増えたり、一緒に過ごす時間が増えたり、確実に良い方向に向かっている。