籠のなかの花嫁
なのに、こんなにいい時なのに。



「あぁ、そういうことか。仲が良くなってるときに余計な刺激が入って関係が壊れるのが怖いわけね」


「・・・・・・・・・・・・」



コイツに言葉にして言われると、素直に頷けない。



「まぁ、それも問題かもしれないが・・・その前にお前指輪は買ったのか?」


「・・・あ・・・・・・・・」




若林の言葉に晴太は固まった。




俺としたことが不覚だ。


パーティーのことで頭がいっぱいで指輪を買うことを忘れてた。




「お前そっちの方が問題じゃねぇの?」


「あぁ・・・・・・・」



コイツに言われなかったら、買うのをすっかり忘れてたかもしれない。



晴太は盛大なため息をつき、顔を手で覆った。




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