籠のなかの花嫁
美羽が疑問に思っていると、由良が突然笑いだした。



「そんなこと、俺言ったかなぁ」


「・・・・・・・・ん?」



由良が周りに目配せすると、暗やみから男たちが出てきた。



それを見ても、全く動じない晴太。



だが、見ている美羽は気が気ではなかった。




どうしよう?

晴太さん、スポーツやってそうな体ではあるけど、やってるなんて聞いたことない。

それに、10人くらいの男の人達となんて無茶だ。



「晴太さん、帰ってください!」


「美羽?」


「こんなに大勢無茶です。それに、こうなったのはあたしのせいなんだから、早く」


「美羽」



喋っていると、晴太さんにさえぎられた。



怒ったかと思ったけど、その顔は、優しかった。




「よく見てろよ。お前の婚約者がどれだけ強いか」


「晴太さん!!」




その言葉が合図かのように、男たちは一斉に晴太さんにかかっていった。




いやっ!!




美羽は見ていたくなくて目を伏せた。




ところがその瞬間──────




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