籠のなかの花嫁
「美羽、大丈夫か?」



傷一つない晴太が美羽にかけより、その体を抱き寄せた。



その温もりに、美羽は込み上げてきた涙を押さえられなかった。



「晴太さん、ごめんなさい」



不安や、申し訳なさ、恐怖

色々な気持ちが交ざりあい、どうしようもない感覚になる。




「お前が無事だったんだから。それでいいんだよ」



そんな美羽の気持ちを察し、晴太は優しく背中をさする。







「この卑怯者!」



捕まえられてもまだ、なお反発する由良。



「刑事を呼ぶなんて卑怯だぞ!」



そんな由良に晴太は冷たく言い放つ。



「先に卑怯な真似をしたのはどいつだ」


「卑怯?」


「あぁ。卑怯だろ。お前のやったことは犯罪だ。美羽を囮に使った時点で勝負になんてならないんだ。お前の負けは決まってたんだ」


その言葉に、由良は悔しさからなのか表情を歪め、頭を垂れた。







そして由良と男たちは警察に連れていかれた。





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